5年ぶりのヨセミテ遠征〜新しい家族と共に、懐かしの聖地へ!〜【アンバサダー 稲田千秋】

クライマーの聖地と呼ばれるヨセミテ国立公園。10年くらい前から何度もこの地を訪れ、少しずつステップアップしてきました。今回は、新たに加わった小さな旅のお供を連れて、近い将来の一大目標ルートへ、挑戦の第一歩を踏み出してきました!

ヨセミテ国立公園は、アメリカ、カリフォルニア州にある世界有数の景勝地です。白く輝く巨大な花崗岩がひしめく、深い渓谷です。1980年台から世界のクライミングシーンを牽引してきました。

先日の記事でお伝えした、砂漠にある「ジョジュアツリー」と違い、ヨセミテは水と緑が豊かです。リスやカケス、シカなどの野生動物にも日常的に会うことができます。

ヨセミテはクライマーにとっては聖地ですが、一般の方にとっては「ザ!観光地!」です。キャンプ場だけでなく、ロッジやホテルなどたくさんの宿泊施設があり、公園内にスーパーやアウトドアショップ、カフェやバーもなんでもあります。

私たちを含め大抵のクライマーは、なかでも「キャンプ4」という名の比較的シンプルで安いキャンプ場に集まります。今回も、1歳半になる子供を連れてキャンプ4に滞在しました。

ジョシュアツリーには100mを超えるような大きな岩はほとんどありません。しかし、ここヨセミテにある岩はその多くが300mを超える大岩壁です。最大のEl Capitanはなんと、地面からてっぺんまで900mの断崖絶壁を抱いています。

私と夫は、この900mの大岩壁を、道具を使わず手と足だけで登りきる「フリークライミング」というスタイルで登ることを目標としています。

壁の中で何日も過ごす必要があるので、900m全てを登り切る挑戦は子供が大きくなるまでは難しいです。でも、その一部を登るだけでも大きな価値があります。今回はおもに1日で帰って来られる位のルートにいくつかトライしました。

このライフワークともいえる目標を、カリマーも応援してくれています。今回は、家族や友人含め、周囲の多くの方の協力をいただけて、充実した3週間を過ごすことができました。

時には、夜明け前に出発して、予定時間をオーバーし、キャンプ地に戻るのが深夜になってしまうこともありました。私と夫の代わりに一日中子供をみてくれていた友人は、そんな私たちを焚き火とビールで暖かく迎えてくれました。

さて、子供と一緒に過ごすレスト日も、楽しく過ごせるヨセミテです。公園内を周遊しているフリーシャトルに乗れば、園内の様々な施設へ行くことができます。公園内には、渓谷美を堪能できるトレッキングコースも数多くあります。

今回訪れたのは10月後半〜11月でした。キャンプ地は巨大な岩に囲まれているので朝晩は日が入りません。氷点下まで冷え込む日もあり、防寒具は必須でした。今回は主に23AWの製品をいくつか持参しましたが、とくにキャンプで大活躍しました。

サーマルハーフジップは肌触りがよく軽いのでリラックスウエアとしても活躍します。23AWモデルは、チェストポケットが右側にあるのでアウターとの干渉もなく快適です。ウールロゴビーニーもチクチクせず、心地よいフィット感が魅力です。大きいロゴが可愛くて欧米人にも好評でした。

GRPNトレイルフーディはフリース地ですがとても肌触りが良く暖かいです。フードもつい被りたくなるような心地良さ。ストレッチがきいてゆったりしているので動きやすさもあります。

そして一番安心感があるのが、インシュレイションLTフーディ!撥水性のある表地としっかり厚みのある中綿、顔をすっぽりと覆ってくれるフードでとっても寒い朝の炊事も快適でした。

23SSのクリーブ 30 も今回大活躍しました。軽くて丈夫なのでマルチピッチクライミングでも使いやすかったです。

また何度でも通いたくなるクライマーの聖地、ヨセミテ。この土地とここに集うクライマーから抱えきれないほどのモチベーションをもらって帰国しました。次はどんな冒険の旅へ出かけようかな?

稲田 千秋

稲田 千秋(いなだ・ちあき)形成外科医、クライマー。学生時代から登山、クライミングに熱中し、季節やジャンルを問わず様々なスタイルでフィールドアクティビティに興じる。現在はフリーランスで世界中を旅しながらクライミングを楽しむ傍ら、国際認定山岳医として、日本の山岳医療発展のため活動する。2016年 Yosemite国立公園 El Capitan "The Nose"完登。2019年 ペルーアンデス Alpamayo "French Direct"登攀など。

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