世界中を旅するTRANSITが、毎号karrimorのアイテムとともに旅をした裏話を公開。今回、リュックにも、トートバックとしても使える2WAYバッグ〈mars gear bag〉と一緒に向かったのは、世界有数の大都市ロンドン。わずか100年前まで大英帝国として世界を牛耳っていたイギリスの首都。いまもなおヨーロッパ諸国のなかでリーダー的存在感を放ちつつも、国民投票によってEU離脱という道を進みはじめた国。33号では“甘い旅”をテーマに、その揺れ動くロンドンの現在を旅した。ここではそのロンドンに生きる人びとの日常を追いかける。
ロンドンの滞在は夏休み中の学生寮へ
宿として選んだのは「Imperial College London」の学生寮。大学が夏休みに入る9月いっぱいまで、こうして学生がいなくなった寮を解放してホテルとして泊まれるようにしている。この大学に限らず、イギリスにはこうして宿としての機能を持たせる学校も多いのだとか。
空港付近のサウスオールへ
ヒースローの近くにあるサウスオールは丸ごとインド人やパキスタン人が住む街。公園を横切ると若者たちがクリケットで遊んでいるところに遭遇。イギリス発祥のスポーツは、インド、スリランカ、オーストラリア、ニュージーランドをはじめ、イギリス連邦で愛されている。いまでもその国々が集って国際試合が行われている。
街なかに忽然と現れる巨大モスク
サウスオールを歩いていると突然目の前に真っ白なモスクが出現! ロンドンにいることを忘れてしまいそうな光景にしばし唖然としつつシャッターを切る。この街ひとつとっても、イスラーム、ヒンドゥー、シークなどさまざまな信仰をもつ人びとが暮らしていてロンドンが多様な街だということがわかる。
SOHOのチャイナタウンを駆け抜けて
ロンドン中心部へと電車で移動。中心部へ向かうと今度は中華街が登場! 縦横で2ブロックほどの歩いて回れるそのエリアは、飲茶が楽しめる中国料理屋が並ぶ。もともと18世紀のイギリス東インド会社との交易で中国人がロンドンを訪れる機会が増えて、形成されたと言われる。ただ、最近は賃料の高騰で撤退する店も出てきて多いのだとか。
ロンドンでも大人気の日本食!
このチャイナタウンの付近には日本食レストランも多い。なかでもここ10年ほどで急増しているのがラーメン屋。ロンドンっ子たちの胃袋を博多ラーメンがワシ掴みしていて、ロンドン市内に7店舗もチェーン展開するロンドン発のラーメン屋もあるほど。お値段は一杯1500円ほど。日本の味と食べ比べしてみては?
ビッグベンで独の高校生たちに囲まれる
本編の“ティータイム”というテーマに合わせて、15時のおやつの時間をビッグベンが指す瞬間を捉えようと広場で粘り終えたあと。ふとカメラを下ろすと、目の前にはドイツ人高校生たちがずらり! なぜだか記念撮影を撮るような一枚に。世界でも指折りの観光地でもあるロンドンならではなショットに。
街のスーベニールショップにて
撮影班がロンドンへ向かったのは7月。今年はエリザベス2世の90歳の誕生日を迎えた年ということで、市内は大規模な祝賀パレードが行われた後。ユニオンジャックの飾りつけがいたるところに残っていた。スーベニールショップにも王室グッズがいっぱい。この並びを見ていると、故ダイアナ妃の人気の高さも伺いしれる。
星付きホテルでアフタヌーンティーを
「The Athenaeum」ではアフタヌーンティーを楽しむロンドン女性を取材。ティーセットといっても高級ホテルなどではシャンパンを頼むこともできる。合わせてでてくるお茶は本来ティーウィズミルクが多いけど、最近はハーブティーも人気ということで、ここでも彼女はジャスミンティーをオーダー。(意外にお茶とシャンパンの相性がいい!)
トラディショナルな街の喫茶店へ
ロンドンっ子が気負わずにお茶を楽しむ場所も知りたくて、やってきたのは「Hillman’s Tearoom」。中心部からは少し離れたWood Street駅にある。写真の男性がこのお店のオーナー。アンティークの茶器が品良く揃えられ、手作りお菓子が出てくる。ここのスコーンやクランペットがたまらなく美味しい! 紅茶一杯、約300円と値段もかなり良心的。
100年以上つづく家族経営の伊カフェ
「E Pellicci」は1900年からつづくイースト・ロンドンのカフェ。代々イタリア系一家が経営していて、スチームミルクたっぷりのカプチーノをサーブしているのもこの家の娘さん。その後方には先代の写真が飾られ、店を見守る。コーヒーや紅茶はもちろんだけど、ボリューム満点の朝食も有名でロンドナーの大衆食堂といった風情。
郊外の街、レミントン・スパでのお茶会のこと
ロンドンから1時間半ほどのレミントン・スパへ。ここでは英国紳士、淑女の2人がティーパーティーに招いてくれた。ジョージアン式の邸宅に入ると自然光が入り込むキッチンがあって、仲良くお茶会の準備中。ケーキもスコーンもクッキーも、すべて手作りというから驚き。(しかも最高に美味しい!)。お茶だけで豊かな時間を過ごせることを実感。
旅立ちの日、お別れは「Club Tropicana」で!
宿泊していた「Imperial College」のほど近く、Victoria & Albert博物館も裏手で週3回ほどスチールパンを演奏していたトリニダードトバコのパフォーマー。彼とはちょっとした顔見知りに。ロンドンを発つ日に今日でお別れなんだと挨拶すると、80年代の懐かしのポップス、Wham!の「Club Tropicana」で陽気に見送ってくれた!
- TRANSIT 編集部
「スイートな旅をしよう」というテーマで、ロンドン、パリ、ミラノ、シチリアなどのヨーロッパ各地をめぐったTRANSIT33号。ロンドンではお茶の時間を中心に、さまざまな人種、階級、年代の人びとが暮らす様子を追いかけた。伝統的なアフタヌーンティーの時間を手作りスイーツでもてなす上流階級の人びとから、移民街でのお茶の時間など、それぞれにとってのお茶の楽しみ方が本編では紹介されている。