世界中を旅するTRANSITの取材班が、毎号特集国にあわせてkarrimorを現地に携行。
連載第5弾は「アルゼンチン」。trim 18を旅の相棒にアルゼンチンを巡りました。
ここでは、誌面に掲載しきれなかった写真とエピソードを紹介。
取材班が辿った取材の舞台裏をお楽しみください。
屹立した山と南洋ブナ
砂漠や草原を走り抜け南下するにつけ、ブナの森を広がってくる。季節は夏の終わり。もうすぐ森が真っ赤に色づく季節がやって来る。万年雪をいただく独立峰は、マッチョなパタゴニアを生きる男達のように凛々しい。
世界の果ての鉄道
地上で最も南にある鉄道。その名も「世界の果て号」。今は小さな観光客用の列車だが、歴史は古く1910年に遡る。当時は監獄まで敷設され、作ったのは囚人自身だとか。車窓から見える美しい風景とぽつねんと取り残された切り株のコントラストがシュール。
最果ての明かり
大西洋と太平洋を隔てるビーグル水道にあるエクレルール灯台へは、ウシュアイアからクルーズ船に乗って。映画『ブエノスアイレス』で観て以来ずっと行ってみたかった最果てのライトハウス。岩礁に小さく灯る明かりは太陽光で発電する。
動物たちの楽園
ダーウィンが訪れたビーグル水道は無数の小島や岩礁の宝庫。その上には海鳥やアザラシ、ペンギンたちの楽園になっている。上陸して間近でマゼランペンギンを見られる島もある。
風に吹かれて
パタゴニアは風の大地。特に海沿いは、ときに立っていられないほど容赦のない強風が絶えず吹きつける。木々もそれに抗うことができずに曲がってしまい、シュルレアリスム的景観を作り出す。
虹が架かる大地を走る
ウシュアイアの街は最も南にある「都市」。最果てのイメージはなくカジノやBARもたくさんある。1年を通じて降雨量が多く、虹が度々顔を出す。でもタクシーの運ちゃん曰く「ダブルレインボーじゃないとね」
荒野のど真ん中でトラブル
夜中に荒野を疾走していたら突然のパンク&ガス欠…。這々の体で10㎞くらい歩いて辿り着いた農場にて。馬や羊、フラミンゴがいる美しい大地に使われなくなった荷馬車が風に遊んでいた。パタゴニアは一人で何でも作り出せないと生きていけない気がした。
無数に残る手形の壁
9000年前の人類が存在した証は、中部パタゴニア大平原にひっそりとある。無数の手はミネラルを吹きつけて描いたとされ、手の他に妊娠したグアナコや月、宇宙人のような生物の姿も。見晴らしのいい洞窟の入り口に立つと、古代人の話し声が聞こえてきそうだった。
氷河の青に魅せられる
パタゴニアのハイライトは大迫力の氷河。ロス・グラシアレス国立公園のなかでも一際巨大なペルトモレノ氷河を飽くまで眺めた。行った時期が夏季だったので、時折ドーン!という轟音がして、蒼い爪が剥がれるように時を閉じ込めた氷は海に落ちていった。
アルゼンチンならやっぱり肉!
アルゼンチンといえばアサード(炭火焼きの肉)!日本のそれのように脂身のある柔らかいタイプではなく、赤身が命。味つけは塩胡椒のみのシンプルなもので、1人前200グラムは普通サイズ。アルゼンチン女子もペロッと食べていて驚いた。
都市の温かさを知る
国際空港の近く、ラ・プラタ川と海が交わる地点は、ポルテーニョ(ブエノスアイレスっ子のこと)達の絶好の釣りスポットであり、家族の夕涼みポイント。長いパタゴニアの旅を終え、空港に向かうとちょうど満月だった。
- TRANSIT 編集部パタゴニアの旅は正直言って過酷だ。いくら走っても一本道の景色は変わらないこともある。しかし、そうして辿り着いた大自然は、世界中のクライマーや旅人を魅了しつづける理由を知るには十分だ。
旅をするときに重要なのは、やはり、機動性。取材ポイントを見つけたら即行動。思いのほか小物や貴重品なども多く、それらをパッとまとめて行動できる小型のザックはとても重宝できる。
karrimorとアルゼンチンを旅して
- 2013年6月6日発売
価格:1800円(税込)
http://www.transit.ne.jp/contents/magazine/
掲載号