初秋の古都へ。数多くの名所のなかから、今回は東福寺をご紹介します。
10月初旬。朝一番の新幹線で京都に到着。京都は私のルーツの街。公私ともに、日本で最も訪れる機会が多い都市です。
この日は昼過ぎに仕事を終え、ご先祖様のお墓参りへ。その後、京都五山のひとつ、東福寺を訪れました。東福寺は京都駅からも近いため、今回のように時間があれば必ず参拝しています。九条通りから臥雲橋を渡り、西参道を進むのがオススメのアプローチ。都会の賑わいから一転、静謐な空気に。
東福寺は鎌倉時代に開基。国宝の三門をはじめ、中世の優れた建築、美術、古文書を現世に伝える文化財の宝庫です。
なかでも有名なのは通天橋。
橋からは、境内を流れる洗玉澗(せんぎょくかん)渓谷を見渡せます。とくに新緑と紅葉の眺めは圧巻。観光ポスターやCMでもお馴染みの景勝です。
通天橋から回廊を進み開山堂へ。
庭を望む縁側が私のおすすめスポット。
白砂に市松模様が描かれた枯山水が、観る者の心を映します。
庭を出て渓谷へ。
代々の庭師に受け継がれた、楓の森を散策できます。
静寂、そして深緑。
私が東福寺を訪れるのは、たとえ2〜3時間境内を巡るだけで、まるで何日も深い山々を歩いたような気持ちになれるからです。それは、禅の美意識と自然が織り成す宇宙が、訪れる者を深い思索へと導くからかもしれません。
東福寺にはもうひとつ、本坊庭園という名庭があります。こちらは1935年、日本を代表する作庭家・重森三玲の手により完成。それまでの日本庭園の常識を覆す、革新的なデザインとアイデアにより、永遠のモダニズムと称されます。
縁側は、雲上の頂のような空気感。この日も世界中からの旅人が、静かな時を過ごしていました。
東福寺へは、京都駅からJR奈良線でひと駅(東福寺駅下車)。タクシーなら約10分の距離。門をくぐればそこは別世界。京都へ出かけたら、ぜひ訪れてみてください。
今回使ったアイテム
リュックサック:tribute 20、ジャケット:trans cargo jkt (unisex)