〈※本記事は、2015年4月にフィールドに訪れた際のアーカイブレポートになります〉
「世界最高峰」この言葉は様々なシーンで表現されますが、伝統のある物語を感じさせてくれます。地球上で最も宇宙に近い世界最高峰から見上げた空、見下ろした地平線はどんな光景でしょう。ローツェ峰から眺めた世界最高峰は、どんな山容なのでしょうか。想像が山のように膨らんでゆきます。
一日中、単調な道を歩き続きます。登山とは思えない緩やかな坂道ですが、高度計の数値から標高が上がっていることを実感します。この緩やかさが高所順応にちょうど良いのでしょう、体調も快調です。
来た道を振り返ると、見下ろすような風景からも高度を確実にかせいでいることが分かります。
高所順応を兼ねた緩やか登山でも、休憩タイムが告げられると嬉しくなります。やはり高所による疲労も少しはあるようです。
荷物運びのプロが背負っている荷物の重量は、我々の比ではありません。腰掛けることなく、荷物を棒で支えさせるだけで器用に休憩されています。
負っている物と量を見ただけで、その重量が想像できます。
肩ではなく、首ひとつで荒れた道を難なく運んでゆきます。
エベレスト街道は東海道のような幹線ですが、自動車やバイクは通れません。こんな物や・・・、
重い資材まで人力で運びます。
背負う荷物にも驚きますが、さらに驚かされるのが、そのスピードです。軽量装備の我々を、皆さま息荒げることなく次々と抜いてゆきます。仕事の邪魔になっては申し訳ないので、背面の気配を感じたら道を譲ります。
抜いてゆく後ろ姿を眺めながら、その強靭さにただただ感心するばかりです。彼らの活躍があって、登山者が活動出来ることを忘れてはいけません。
荷物の届けが終わって、電車の回送状態となった皆さまは、その空身となった身軽さのスピードにまたまた驚かされます。
お母さん方は子どもを背負い、
子どもたちは、おんぶで遊んでいます。足腰が強くなるはずです。
どこの国へ行っても、子どもは可愛く、微笑ましくなります。
軽装でも我々は疲れてしまうため、カフェで休憩します。とても甘いミルクティーの美味しいこと。
長い橋を渡って、峡谷の最上部まで登ってゆくと・・・、
我々が目指す最終地点、世界最高峰・エベレスト峰が出迎えてくれました。他の峰とは異なったスケールのオーラです。トレッキングの観光客でしたら喜び上がるシーンですが、その頂を目指す登山者としては標高9,000m近い世界に踏み込む覚悟を求められているように思えました。