世界で初めて世界五大陸最高峰に登頂した冒険家・植村直己さんの活躍に、どきどき、はらはら、わくわくしていた小学生。通学路の世界しか知らない子どもにとって、スーパーヒーローです。その冒険家の遭難を知った時、「世界五大陸最高峰に登ってみよう」ぼわっと頭の中でそんな思いが広がりました。「憧れ」から「挑戦」に変わった瞬間、高校1年生の時でした。
地球儀を思い浮かべながらの、航空航路南回り。東アフリカ、ケニア共和国ナイロビ空港に到着です。3日間飛行機に座り続けた疲れから、遠くの国まで来た実感が湧きます。到着初日は、空港から首都ナイロビのホテルへ向かいます。キリマンジャロ峰はタンザニア連合共和国なので、車でひたすら走って国境を越えます。時間はかかりますが、明日の移動日、車窓からの風景が楽しみです。
荷物はデイパックと40Lザックのみ。預けた赤いザックを受け取り、カタカナ棒読みのスワヒリ語で空港から離れることが出来ました。全ての話し方が、「これ通じてます?」という疑問符の表情になってしまいます。
飛行機が連れて来てくれただけですが、アフリカ大陸に到着したこと、赤道に立っていることに、妙な達成感に包まれます。
初めて見るアフリカの街並み。
時差ぼけを忘れさせてくれます。
1994年のことですが、ホテルに到着するとリーダーからこの辺りで最近起きた事件を聞かされます。夕食までの時間、カメラ片手にクリスマスシーズンの街中散歩の思いがしぼんでゆきました。
標高5,000m峰の登山より、街中散歩の方が危険ということを知ります。